今回は「絶対に俺に憧れるなよ!」
というテーマでお話していこうと思います。
これは私が美大に通っていた頃、
「経済学」の講義をとっていた時の
話なんですが
周りを見渡しても
同じクラスの人は1人もおらず
我ながら「俺って変わり者だなぁ~」と
思ったことを今でもよく覚えています。
絵画科で経済学の講義をとっている学生は
おらず、周りはデザイン科の学生ばかりでした。
そんな経済学の講義で教授が
ヒジョーに残酷な真実の話を始めました。
「日本人の平均年収は〇〇。
ちなみに日本のデザイナーの平均年収は××。
まあデザイナーになっても決して
余裕はない人が多いんですね。」
こんな話をしていました。
経済学の教授らしいリアルなお話です。
ファンタジックな雰囲気でいっぱいの
美大のキャンパスで日々生きている
美大生には「刺激的な」お話でした。
講義室の空気がピリピリしていたことをよく
覚えています笑
この講義のあった週に油絵科の学生だけで
ディスカッションをする授業がありました。
油絵科のディスカッションはかなり面白いです。
みんな本音剥き出しで
マニアックな話をアツく語りますし、
そういうマニアックな話を喜んで
聞く雰囲気があるからです。
まあでも結構繊細で人見知りも多い場所なので、
そもそもディスカッションが始まらず
沈黙が続く時間もあります。
この時のディスカッションも沈黙で
誰も次の話題を思いつかない時間が
ありました。
そこで、私は「刺激的な話題」を
ブッこんでみたのです。
↓若過ぎた当時の私はこんな爆弾を
投下してしまいました↓
この間「経済学」の授業でデザイナーの
収入の話を聞いたんだけど、
デザイン科の学生ですら将来お金に困るんだ
としたら油絵科の俺たちって、
かなり大変そうだよね。
あと、ぶっちゃけ思ったんだけど、
美大の学費ってメチャクチャ高いから
美大生カップルの子どもが親に憧れて
「自分もお父さんみたいに美大に行きたい」
って言いだしたらどうすんだろうね?
「絶対に俺に憧れるなよ!」みたいな
方針で子育てしていくのかな?
とまあこんなイジワルな話をぶっこんで
みたのですが、さすが油絵科だけあって、
私の率直すぎる疑問に
いろんな意見を返してくれました。
※当時3年生だったこともあり、
油絵科出身者として社会でどうやって
サバイバルしていくのかを
皆マジメに考え始めていた
というのもあります。
その場で出た一応の結論としては
「親子2代で美大生やるのはほぼ不可能。」
というものでした。
実際にその場にいた学生全員、
美大卒の親の子ではありませんでしたし
自分の子に美大をオススメするかと
聞かれたら、
オススメしないと答えていました笑
さてさて、今回私はただイジワルな話を
したくてこんな話をしたわけではないのです。
まあ今回最もお伝えしたかったのは
美術の専門家として
稼げるようにならないと
自分に憧れて美大に行きたいと言い出した
子どもに自由な進路を取らせてあげられないよ
というお話です。
お金儲けなんて汚いから興味ない。
お金なんか要らない~
みたいな
かわいこぶったことを言っていると
自分が困るだけじゃなくて
「絶対に俺に憧れるなよ!」って
子どもに言い聞かせて育てることに
なるかもしれませんよ。
というお話です。
日本を画家を目指せる場所に変えたい。
これが私の夢なんです。
これを実現に近づけるために、
どうしても考えなくてはいけない
“現実的なお話”を今回はさせて頂きました。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
それではまた次回までさようなら~