今回は画家のみなさんが
“絵をネットで売る時に
やりがちなミス”を紹介していきます。
これからの時代に必要な考え方ばかり
なので是非最後まで読んでくださいね。
「5000円で油絵が売れました。」
こんな報告をしてくれる
画家さんが時々います。
まあ、喜んでいるところ
水を差すのも悪いので、
「おめでとうございます!」と
一応返信はするのですが、
内心いろいろと思うところがあります。
自分が描いた絵がネットで売れた!
これはメチャクチャ嬉しいことだと思います。
ただ、正直申し上げて
5000円とかで売れても、
嬉しいのは最初だけなのです。
イメージしてみてください。
描くのに1週間かかる5000円の絵が、
毎月10枚売れる場面を
これは極端な数字ではありません。
最適なやり方で準備すれば
5000円の絵が毎月10枚売れる
というのは難しくありません。
そもそも描くのに
1週間かかるわけなので、
1ヶ月に4枚しか描けません。
そして当たり前ですが、
絵画は形ある商品なので
売れるたびに慎重に梱包して、
郵便局へ持っていき、
配送しなくてはいけません。
これを毎月10回やる。
なかなか面倒で大変な作業です。
(まあやってみれば
わかると思います。)
自分が画家なのか、梱包作業のバイト
なのかわからなくなると思います。
梱包回数を減らすためにも、
本当に気に入ってくれたお客様に
安くないお値段で販売するモデル
にしなくてはいけません。
過去に私は百貨店美術画廊で
3万円で小さい絵を売りまくっていた
時期があります。
もちろん絵が
たくさん売れて嬉しいですし
数を売ることによって、
どんな絵が反応が良いのか
データが取れたので良いのですが
ずっとこの安売りモデルでは
無理が来るなと思いました。
百貨店美術画廊で絵が売れても
画家の手元に入るのは
良くて50パーセントです。
そして、私の絵は小さな絵でも
3日以上時間がかかります。
まあ言ってしまえば、
絵が売れまくったのに、
時間もお金もない!
状況だったわけです。
他にも、自分の絵を安く売るのは
デメリットがあります。
それは、自分の絵の
値打ちの低さをアピール
することになるということです。
現代美術の本に載る
レベルの作家の作品は
意味不明なくらい
高い値段で販売されています。
まあこの値段のカラクリを語りだすと
本一冊かけるくらいの
情報量になってしまうのですが
簡単に言えば、こういった
メチャクチャ高くても
売れる作品は
お客様を含む多くの人に
「まあ妥当な値段だ」
と思われているから
売れるわけです。
逆に1枚5000円で
油絵を売っていたら、
やっすい画家の描いた
ありがたみを感じない作品
だと思われるわけです。
1枚5000円で売ってしまう
画家に1番問いたいのは
「あなたの時給はいくらなんですか?」
ということです。
1枚5000円で油絵を売ったら
間違いなく最低賃金を
割っていると思います。
絵を描くのには
時間がかかりますよね。
そして
絵のスキルを磨くのにも
時間がかかります。
美術予備校や絵画教室、
美大に通っていたら、
絵のスキルを身に着けるのに
お金もかかったことになります。
それなのに「自分の仕事」を
コンビニ店員より安い時給で
売ってしまって良いんでしょうか?
1枚5000円で
絵を売るという行為は
自分の絵を
「価値ある作品」ではなく
「フリマで売っている不用品」だと
考えているようなものだと私は思います。
まあそうは言っても、
「価値」にはいろいろ種類があります。
絵が売れて手に入るのは
お金だけじゃないというわけです。
絵が売れるという貴重な体験は
お金に変えられない
嬉しい体験だと思います。
(特に初心者にとっては)
自分が好きで描いた絵が、
誰かに気に入ってもらえて、
お金まで払ってもらえて
コレクションに加えてもらえる。
これは非常に名誉なことです。
自分の絵が人に
所有されるということは
画家冥利に尽きる
最高の体験だと私も思います。
こういった
最高の体験をするためにも
ちゃんと利益が出続ける仕組み
つまり、余裕をもって
絵を描き続けられる仕組みを
自分で作る必要があるわけですね。
そのために重要なことの1つがのが
「安売りしない」ということなわけです。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
それではまた
次回までさようなら~