「実はこれが今年1番
ウマくいった作品なんです。」
そう言って見せてくれた自信の1枚は
外国人の女の子を描いたチョークアート作品
でした。
良いチョークアートならではの
軽やかな色味&緻密なグラデーション
が魅力的なその作品は大切に額縁に収められ
「ウマイ絵」特有の存在感を放って
飲み会のテーブルの上に鎮座していました。
■職人タイプの画家に出会いました。
彼女は間違いなく「職人タイプ」の画家でした。
材料を巧みにコントロールし写真ソックリに
絵を描ける「高い技術」を持った画家さんです。
こういう画家さんは日本には多いようで
海外の画家さんが日本にやってくると
その技術の高さに驚くようのです。
私はこういうタイプの画家を
見つけると思わず
「仲間がいた!!!」
と思ってしまいます。
こういった「職人タイプ」の画家さんは
どうしたって技術重視になるので
“没個性的”になりやすいのです。
この悩みに私もしばらく
悩まされていましたものです。
「〇〇さんの絵だ!」と一瞬でわかるような
見た目の絵ではなく
・材料を巧みにコントロールした
・モチーフそっくりのウマイ絵
だけど
・構図は平凡な日の丸構図
・光の設定にも無頓着(良くてもレンブラントライト)
・モチーフも無難なチョイス
・材料の使い方も教科書通り
・描写は写真技術と競争するような描き方
といった感じになってしまいやすいんですね。
■卵おじやを作ってくれました。
その職人タイプの画家さんは
栄養士さんらしく自慢の職人技で
飲み会のシメの卵おじやを
手際よく作ってくれました。
※とても美味しかったです。
・生卵
・炊き立てのご飯
・醤油
という
卵おじやの材料を見た途端に
勘違いして卵かけごはんを
作ろうとした
私とは対照的に栄養士さんの彼女は
“わかっている大人”でした笑
※もつ鍋コースの飲み会だったので
もつ鍋→卵おじやという展開だったようです。
前半、お鍋そっちのけでしゃべりまくっていた
我々のテーブルの鍋はスープが
あっという間に沸騰して
卵おじやがドロッドロでした笑
それでも美味しく頂けたのは
管理栄養士の画家さんのおかげです笑
■講評をしてもらいに近くに来てくれました。
卵おじやを完成させた後
やや遠くにいた彼女は作品を
講評してもらうべく
私の向かい側に引っ越ししてきました。
画家飲み会の時
講評会はいつでもウェルカムなのですが
この時は
自分にしか描けない“個性的な絵”を
描くためには
「技法(素材の積み重ね方)」「モチーフ」
「光または色」「構図」「描画方法」
これらのうちどれかに「自分らしさ」を
忍び込ませましょう~
みたいなお話をしました。
今回はこの話を深掘りして
「あなたにしか描けない絵の描き方」
について語っていこうと思います。
■技法(素材の積み重ね方)
油絵には油絵の
透明水彩には透明水彩の
チョークアートにはチョークアートの
「最適な素材の積み重ね方」
というものがあります。
この「最適な素材の積み重ね方」を
守って描くことで
素材の特長を生かした職人技光る作品が
生まれるわけで
保存に向く耐久性の高い
絵肌を作れるわけですが
この「最適な素材の積み重ね方」
の最低限のルールを守りながらも
自分ならでは「味」を出せる
そんな画家もいるわけです。
ちなみに私は中世の黄金背景テンペラの
テンペラ絵具の部分をアクリル絵の具に
変更した技法で描いています。
※この変更は技法材料的に問題ありません。
■モチーフ
お次がモチーフです
「猫の画家」「昆虫の画家」「青空の画家」
といった感じで
このモチーフの絵といえばこの作家
といった感想を持たれるような
自分お得意のモチーフを見つける
ことも
自分らしい絵を描くコツの1つなのです。
■光または色
「夕日の設定」「こもれびの光」
などなど
光の設定で「自分らしさ」を演出する画家も
います。
私も金箔にマッチする日没直前の
夕日の設定で絵を描くことも多いので
このタイプの画家でもあります。
■構図
お次は構図です。
これは漫画やイラスト系の作家さん
のこだわりポイントかもしれません。
例えばNARUTOの岸本先生は
パースペクティブの構造線を自在に操って
魚眼レンズで撮影したような
ダイナミックな構図の絵を描きますね。
他にも東海道五十三次の浮世絵版画は
極端な面積対比で独特の絵画空間を
演出しています。
■描画方法
最後が描画方法です。
・点描
・線描
・絵具の盛り上げ
などなどの「独特な筆のタッチ」で
画面を埋めつくすような絵作りですね。
スーラの時間がとまった
ような空間を描く点描
ツルツルの貴婦人の肌を捉えた
アングルの線描
画面から飛び出してきそうな
レンブラントの絵画の明部の盛り上げ
などなど
これで決めたる!
という画家の気概が伝わってくる
描画の痕跡も
「あなたらしさ」を演出する手がかりとなるでしょう。
■画家の黒沼はどうなんだ?
最後に私、画家の黒沼の絵は
どのように「個性」を演出しているのか?
の話をしようと思います。
「技法(素材の積み重ね方)」
私の場合ここに最大の工夫、
差別化ポイントがあります。
背景の部分は中世ヨーロッパの
黄金背景技法と全く同じ組成ですが
図像の部分はアクリル絵の具を使い
できる限り、緻密にリアルに描いています。
(テンペラ絵具ではできないような
重層的な表現をしています。)
中世ヨーロッパの黄金背景テンペラ画
の時代にはなかった
モチーフを立体的に描く
明暗法、遠近法
単焦点レンズで撮影した写真のような
背景部分のピンボケ処理
ピクサー映画のような
光学的な再現描写
などなど
異なる時代のテクノロジー(技法)を
組み合わせることで
「見たことないもの」を生み出そう
と企てているわけです。
「モチーフ」
モチーフのチョイスは
極めて保守的&平凡です。
日本の伝統的な絵画に見られるような
花鳥風月ですね。
私の場合、梅の花や曼珠沙華、トンボ(蜻蛉)といった
儚げな印象のモチーフを描くことが多いです。
「光または色」
光の設定はピクサー映画や
新海誠作品のような
「実際よりも鮮やかな夕日」
の設定で描くことが多いです。
これも見慣れた設定なので
独創性はありません。
保守的&平凡な設定です。
「構図」
構図は最も保守的&平凡な設定です。
日の丸構図または
モチーフ周辺の「間」を意識したような
水墨画や受験生のデッサンのような
モチーフと、その周りの空間が
主役の空間を描くための構図なわけです。
「描画方法」
描画方法もかなり
保守的&平凡な設定です。
光の設定がやや特殊なので
写真の写しのような見た目
にはなりませんが
基本的には「加工した写真」
のような仕上がりといえます。
ただ、これを磨かれた箔の背景と
あわせて見ると
結構不思議な見た目になるのです。
気になる方は
是非、展覧会で実物を見に来てね笑
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