展覧会の選び方

初詣の帰り道

モクモクと香ばしい
匂いを漂わせながら

ジュージューと
ソースがはじける音を立てて

営業している
たこ焼きや焼きそばの屋台

小さい頃、私はこういう
お祭りの縁日に寄るのが大好きでした。

今となっては人がゴッた返している
場所に行くとちょっと疲れてしまうので

あんまりお祭りには行かなくなって
しまいましたが

あの神社の縁日のような

賑やかでポップで
それでいてちょっと
アンダーグラウンドでチープな

縁日のような雰囲気の場所を
見かけることがあります。

それが若手作家の
大規模グループ展示です。

神社の縁日に行くと
1個800円とかで売られている

キャラクターのお面の屋台を
見かけることがありますが

商業施設の催事場や
作家人気の高いギャラリー
で時々こういう

賑やかでポップで
それでいてちょっと
アンダーグラウンドでチープな

グループ展をやっていることが
あるのです。

縁日のお面売り場のような

密度で所せましとギッチギチに
展示された大量の絵は

なんだか全く“ありがたいもの”
に見えないのです。

縁日のような雰囲気は
1個800円のお面を売るには良いですが

作家が何日もかけて描いた渾身の1枚を
目の肥えたコレクターさんに買ってもらう
場所には似合わないと私は思います。

こういった大規模グループ展は

多くの若手作家にキャリアアップの
チャンスを与える

というプラスの側面ももちろん
ありますが

全く“展示映え”しないギッチギチの
お面売り場のような展示空間を生み

参加した大量の若手作家に“削り合い”
をやらせている

(参加する人数が増えるほど絵が売れる
チャンスも減るので、こういう企画は
大体参加者全員が赤字なのです。)

というマイナスの側面もあります。

もちろんこういうチャンスに
飛び込んでいって

展示経験や作家同士の人脈を
作るのもまあ良いでしょうし

作家活動を始めたばかりの頃は
積極的にグループ手時にも参加して

お客様や会場スタッフ、作家仲間
からの評価なども取り入れて

「欲しいと思われる絵」の傾向
を掴んで行きたいところです。

ただ、これはずっと続けるような
ことではないと思います。

ゆくゆくは

欲しいと思われる絵で尚且つ
あなたの持ち味を存分に発揮した
【あなたにとっての売れる絵】を

自分の力で集めた“濃いファン”
に向けて

ライバル不在の場所で
“安くないお値段”でご案内する

という

誰にも邪魔されないストロングスタイルの
作家活動をやっていきたいものです。

これは最近しみじみと思うのですが

絵を描くのには非常に時間がかかりますし
作家活動に使える時間は有限です。

なので究極的には

参加するに値する展示にだけ参加し
描くに値する絵だけに制作時間を使う

という作家活動を目指すべきだと
私は思います。

作家人生のムダづかいを
してはいけないわけです。

最後まで読んで頂き
ありがとうございます。

それではまた次回までさようなら~

追伸

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