自分の絵の値段のつけ方がわかりません…
これが実は私のもとに届く
最も多い質問なのです。
さては今回は具体的な絵の値段の
考え方を解説していきます。
それでは早速始めていきましょう。
結論から言えば、最もよく売れるのは
4万円以下の作品です。
今回は絵の値段の考え方も紹介しておきます。
基本的に絵の絵の値段は
作家の熟練度とサイズで決まります。
駆け出しの若い画家とベテランの画家なら
もちろんベテラン作家の方が高いわけです。
絵の値段は、基本的に画家の判断で
「今より高くしても売れそうだ」と
思った時に値上げをします。
なので、必然的にベテラン作家の方が
高くなるわけです。
また、絵は大きいほど高く、
小さいほど安いです。
よく、1号いくら
という基準がありますが、
当然3号の絵と30号の絵では
30号の絵の方が高いわけです。
しかし、単純に3号の絵の10倍の値段を
30号の絵につけてしまうと、
ほとんど誰も買わないような
高い値段になってしまいます。
そこで、大きい作品は割安に、
小さい作品は割高に値段を調整することも多いです。
絵の値段は技法によっても変わります.
油絵や日本画、アクリル画のように、
キャンバスや板、絹などに描いた原画は高めですし
水彩やデッサンのように紙に描いた作品やジークレーや
版画のように複製可能な絵画は安めの値段で売るのが
慣例になっています。
額の値段を含めるかどうかはケースバイケースですね。
百貨店美術画廊のような場所では、画家がチョイスした
額縁に作品をセットして、額込みの値段で販売します。
しかし銀座の画廊などでは、額縁や作品を数多く
所有しているお客様を相手にすることも多いため
額縁にセットせずに販売することも多いです。
お客様が自分で額縁を選べるようにするわけですね。
また、オーダーメイド作品などの場合は、
お客様との相談で決めることが多いです。
作品の納品後にお客様が自分で額を選ぶ場合もあれば、
画家にお任せの場合もあります。
画家にお任せの場合は予め、額縁と作品の合成写真を
用意しておいて、お客様に確認いただいてから、
額を注文する流れにすると、すれ違いが起きず良いでしょう。
会場によってマージン(画家の取り分)が違うことも多いですが、
会場によって絵の値段を買えるのはやめましょう。
絵を買ってくれたお客様が、別の会場で買ったほうが安かった
となると、信頼を失うことになるからです。
といった感じですね。
まとめると、絵の値段はある程度画家が自由に決められるので、
よく売れる値段に設定するべきなんですが
価格設定についてお客様が納得のいく説明が
できる必要があるということですね。
具体的な絵の値段の決め方を解説していきます。
多くの画家は個展を開くなどの活動
を通し他の作家の値段と比べながら、
絵画の値段を決めます。
美術雑誌に載るような作家になると
号価格4~5万円になりますが
はじめのうちは1号1万5000円くらい
から始めることが多いようです。
(ちなみに私は1万2000円から
始めました。)
絵画1号分の値段は
どのように決まるのでしょうか?
「1号いくらの作家」という表現を
よく耳にしますね。
しかし、1号という絵のサイズは基本的には
存在せず、0号の絵=1号分の絵の値段
なのです。
ちなみに0号の次に大きい絵のサイズは
SM(サムホール)というサイズで、2号分の
絵のサイズです。
絵画の値段は
号単価×号数
というシステムで売られています。
絵画販売は基本、測り売りなんですね。
ここに額代を加えて絵の値段とします。
しかし単純に
号単価×号数+額代=値段
としてしまうと
額代を損してしまいます。
なぜなら、個展会場で絵が売れた場合
売上の100%をもらえるわけではないからです。
例えば10万円の絵が売れたとして、
画家の取り分が70%の会場なら
7万円しかもらえないわけです。
絵の値段×0.7が画家の取り分になるわけですね。
そこで、額の値段に0.7の逆数である
1.42をかけた値段を加えましょう。
例えば
1号12000円の画家が3号の絵を
5000円の額に入れて販売したら
号単価12000円×号数3+額代5000×マージンの逆数
1.42=43100円となるワケです。
さて、かなり細かい複雑なお話をしました。
私は大きめの絵ほど割安に
小さめの絵ほど割高になるように
調整をしているので
純粋に号単価×号数にはなっていません。
サイズ別の絵の価格表を用意して
「既に売れてしまった過去作品も同じ構図で制作いたします。
サイズ違いの作品も注文可能です。」
こういったことを書いておけば
オーダーメイド作品を注文したい人に手渡して
注文する絵のサイズを検討してもらうこともできます。
「この既に売れてしまった8号の絵を
3号のサイズで注文したい。」
という要望にもお応えできるようにするわけです。
こういった一手間で個展の売上は変わってくるんですね。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた次回までさようなら~